LIVE MUSIC ism-KICK OFF EVENT-DAY#2@品川プリンスステラボール

uizcatchthebeat2009-05-17



Doubleが演るなら
可能な限り、行く。


音制連だの鹿野淳だのが絡んだイベント。
広報誌によれば
「音楽ファン参加型」だそうだが
どの辺が、なのかは不明。
サイトや広報誌を見る限り
CD売り上げの落ち込みに危機感を募らせるヒトたちが
それ以外の利権を如何に守り切れるか、
やっぱコンテンツビジネスは限界だし
生で固定集客できたら命脈保てるんぢゃね?
という熱意a.k.a.必死さは、感じるよ。


イベント毎にプロデューサーを立てるってことで
この日はアーティマージュ社長浅川(DJ GEE)氏。
となればヘッドライナーDOUBLEは当然として
他の面子を所属アーティストにこだわらず
「女性シンガー」ってとこに絞ったのがポイント。
なかなか珍しい構成になった。


事前に出演順は公表されなかったが
DOUBLEはトリだろうし
見ておきたい福原も後半だろうし
という読みのもと
開演から一時間ほど遅れて行ってみた。
まあ気力体力が戻ってない、てのもあったしな。


入場するとステージはMAY'S
着うたに似合う曲をキレイに再現していますですね、
という以外の感想は、特に、無い。


次がMiss Monday
日本でキャリア10年に及ぶフィメールMC、
しかもリリースが続けられているヒトって稀有なわけで
頑張ってるなあ、とは思う。
Lauryn Hillのソフトな翻訳版てイメージだったヒトが
ここまで命脈を保ってきたのは何故だろう。
COMA-CHIがひとつの答えを提示するまで
フィメールMCの多くが
「男以上に男勝り」か「過剰なエロアピールのビッチ」かに
偏りがちだった中で
中性的な立ち居地が他にいなかったからだろか。
音楽的にも
レゲエとHip Hopとの境界、
ポップとコアの境界、
つーバランス感覚が良かったのかもしれない。
それをどっちつかず、とか中庸に映ってしまう
俺がひねくれた人間なのであって、
それ以前にこのヒトの一貫した生真面目さが眩しくて
この日のパフォーマンスも直視しづらい
汚れた心を持つ者にとっては
あんまし需要が感じられないwのでした。


次はセカンドステージにYOUNGSHIM
セッティング時間短縮のためにも
この転換は良かった。
PUSHIM好きとしては
妹に大いに期待してるのだが
残念ながらカリスマを備えた姉に対抗する、
ないしは違う個性で魅了する、
という段階には、無い。
姉超えとかは責任が重過ぎるだろうが
どっかの下品姉妹よりはがんばれ超がんばれ。


再びメインステージ、
バンドセットが組まれた、が。
なかなかスタートしない。
ようやくファンク臭ある演奏がスタートして
福原美穂登場、"CHANGE"を高らかに歌い出すも。
マイクトラブル!
ここで中断、一同退場。
しかし、
この若干21歳、見た目は30代、
らぶちゃん並みに見た目が弁慶、なヒトは
伊達じゃなかった。
再登場するも
「予定してなかった曲を」と
"No Warning(When You're Hit By Love)"からリスタート。
うはwwwテラJANISwwwwwwww
これは客も盛り上がらざるを得ない。
生き物としてのバンドの強みを再確認した次第。
これがDOUBLEのときのDAT、PCのトラブルとかだったら、
とか思うとゾッとした。


「奇跡の子」だのなんだの、
ニーソのゴリ押しや「ものがたりづくり」には
辟易する面が無いわけぢゃ無い。
(例の教会って、AIも使わなかったか?)
しかし、このヒトはメディア登場の時点から
ふてぶてしすぎるくらいだったわけで。





清志郎の件以来、
旧盤を聞きあさってることもあって
生音、バンドの魅力に再び思いを巡らせてることもあり
今の気分にフィットした満足のステージ、だった。
低音時が届きにくい、とか
90年代初頭くらいまでにメジャーで活躍してた
日本の女性ヴォーカルの歌ぢからは
平均的にこのくらいはあったよな、とかを思わないでもないが
今が希少であることに変わりは無い。
福原美穂、変にぶれない限り
続けて刮目さしていただきます。


次はセカンドステージにMay J
キレイどころはそれだけで強い、
(この日見た中で男性客の受けは一番良かったw)てのもあるが
このヒトの歌はまだ過小評価されてると思う。
現行R&Bに陰陽やセクシャルなニュアンスを付加出来てるヒトは
日本でそれほど多くないけど
このヒトは可能性がある。
楽曲に恵まれてるとは言い難い、けど。
ディディディ、ディジェイケオリィ、の
プロデュース(て、音作りはどのくらい関与したのかな?)による
"Garden"を披露したが。


KJへの個人的感情は別にして
Sugar Soulのオリジナルは永遠のクラッシックだし
あの精選されたそぎ落とされた歌詞世界は
ある種(イタさとスレスレの)スピリチュアルなものでもあって
Aikoの個性ありき、だと思う。
最近の着うた歌詞の低脳ぶり
(ヴァラエティのテロップ多用と同じで具体的でないと
理解できないのは知性が衰えてきてる、という他ない)とは一線を画す。
確かに「時代のBPM」の変化から言えば
仕方ないのかもだが
曲が喚起する情感に重要な要素であった「間」が無くなっているのは痛い。
さらにあの意味不明
(本人は意味があると思ってるかもしれないし
「聞こえ」を重視したのだとしても
意味が伝わらないのだから結果は同じ)
なラップのリリックはいただけない。
こんだけ口うるさいこと言うのは、
May JもSugar Soulも"Garden"も好きな者にとって
非常に残念なカヴァーだったから、です。


さて。
大トリ、DOUBLE
福原の豪快なパフォーマンスの記憶が生々しい中、
若干の不安はあった。
DOUBLEは
ヴォーカルパフォーマンスに出来不出来があるのは
まぎれもない事実で
ファン過ぎるからこそ
こういう外様の客前で失態を晒して欲しくない、
つー余計な心配があったりする。
しかしそれは杞憂。
キャットスーツとダンスで圧倒、
余裕のステージをこなしてくれた。
"Black Diamond"、"Emotions"。
ここ数年のステージをずっと共にしてきた
Lil' Mihoが渡米するとのことで
このダンサーチームでのパフォーマンスは最期。
ダンサー退場後、
白の衣装を纏って"Spring Love"
そして"We R&B"ツアーと同じ
"Bed〜残り火"メドレー。


日本にR&Bシーンがあるか否か、
そもそもUSと同じ形で住み分けされるべきか、という問いは
もうずーーーーっと考え続けて答えが出せない話、ではあるのだけど。
DOUBLEと比肩する存在が無い、てのは
個人的にはつまらない。
この日の宣伝文句は
「日本のダンス&クラブミュージックの"今"を支える人気アーティスト」の競演、
てもので、
コレ自体うーむ、てなもんだが
今の日本で「R&B/Hip Hop influencedな」という括りが
一般的には有効でない、
という現実にうーむうーむと腕組みしちゃう、な夜ではありました。