Ain't No Love In The Heart Of The City

uizcatchthebeat2008-02-14

ヴァレンタインだの愛だのと
正反対の
ゴキブリ人生を背負った男が
この日取るべき行動は何か、
と考えた末に
American Gangster
観に行った@新宿。
いや、単に
TOHOシネマズの日
一律1000円也、
の日と重なっただけなんだけどw


世間は賛否両論なのかなあ。
こんときも書いたけど
評論て論者の立ち居地によって全然違うんであって
殆ど参考にならない。
ガッチガチのギャング映画やアクション、
またはマジメな実録モノとかを望んだヒトは期待はずれカモだし。
Russel Croweカコ悪い、て声も聞くが
これはカコ悪いとこがイイんでしょうが。
俺は満足。
普段は2時間半超えとかケツ痛くて辛いが
今回は苦にならなかったな。
まあHip Hop好きやその背景に関心のある人間、
70年代ソウル好きは
あらかた満足されるのでは。
T.I.の役どころも
若い世代にアピールするものがあるのでは。
Commonはすっかり脇の影薄い役がお決まりになってきたw
RZAカッケー。
Anthony Hamiltonはまんま。


家族思い、だが冷血なドラッグ王、
家族を台無しにし、仲間から孤立しながら自分の信念だけに執着する刑事。
911以降、つーと大袈裟だが
何が正義で何が悪か、
観客に安易な感情移入を許さない、
世界の構築の複雑さが描かれてるのは魅力的だった。
俺はまんまとフランクもリッチーも好きになって
(以下ネタバレ)


最後両者が手を組んで
トルーポを追い詰めるとこはスカッとしたし
弁護士になったリッチーの最初の依頼人がフランクだった、つー史実
(コレ↓

アメリカン・ギャングスター (ハヤカワ文庫NF)

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によれば、
リッチーはフランクの息子の学費も援助したらしい)
に一瞬感動した・・・
けど、
Blue Magicが多くの人間の人生を亡きものにしたことは
厳然たる事実だし、
刑期が異例に短くなった背景とか
今は細々と暮らしてた、けども
この映画化でまた結構な金を手にしたこととか、
ちょっと待てよ、てな感じであれこれ考えさせられる。
ラストのPEもまた頭を現実に戻す絶妙な効果があるな。


方々で言われてるが
予告編のJay-Z"Heart Of The City"は
時代が違うので本編未使用。
でもあんだけハマったんだから
せめてBobby Blandの方でもねじこんだら良かったのにな。
上掲の本の中でフランクが
「息子がラップやってるが俺は興味ない」と言わしめたJrだが
声やフロウがどことなくJay似なのが笑える。


今でも本国MTVでは流れないPE"Can't Truss It"。

(見られないときはコチラ





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