揚棄



タマフルももう一年半、
10月改編も乗り越えるようでなにより。
最初はマンクやWANTEDの
バカ学生の部室ノリが減退して
Hip Hopの占める率が相対的に縮小しちゃったことに
物足りなさばっか感じてたけど。
宇多丸ソロワークだから
ライムスと同じものを求めるのはお門違いだし
師匠流Hip Hop的視点は通底してる、
とは言えるだろうけどさ。
今や毎週の欠かさざる楽しみのひとつには、なった。
未だに「これ・・・いる?」て思う部分はあるんだけど。


マブ論推すときにも触れたが
批評に際して自分のスタンスをきちんと説明しようとするリベラルさが好き。
言いたいことがあればあるほど、
ヒトはつい論破や説得、防衛や逆ギレに陥りがちだし
受け手としちゃあ賛同や賞賛、耳なじみの良い意見を聞きたがりがち。
それを回避する前提の、
「そんなに簡単にヒトは分かり合えないっしょ?」て諦観と
「でも(だからこそ)語り合う必要があんぢゃね?」て希望と
「こういうオレがこう思う」の「こういうオレ」を説明する責任を
きちんと果たそうとしてるつーか。
だから聞いてる方も耳を傾けたくなる。


例えば20世紀評
原作ファン(評判悪い後半含め、ね)で、
単にトレースを楽しみ(「おー、あったあった」て感じ)、
宗教と政治の癒着に抗する描写には
微細でも喜びがちなオレ、とは殆ど意見は合わないし
賛同出来る部分は限られる。
あ、音楽が大事な映画なのに
サントラだせぇは同意。
ムーンライダーズ尊敬してるのに・・・白井サンどうしちゃったんだろ。
ともかくそーゆー決定的な相違があっても
ちゃんと最後まで耳を傾けられ
「そ、そうだったのカー!オレ間違ってたよ!」でも
「何言ってんの、馬鹿!」でもなく
「なるほど、そーゆー見方があるのな」と
きちんと咀嚼できる、つーな。


ただ、リスナーの全てがそうかは知らないけど
自虐オチはもうあんましキモチ良くないかな。
「これが分かんない僕のほうがダメなんでしょうよ、ええ、ええ」みたいなの。
自信満々に断言されてもヤだけど
ちゃんと主張のルールは踏んでるんだから。
「バカじゃねーの!愚民ども!」wてホントは他罰的に言いたいとこを
放送てバランスの中で自罰的にしたほうが納まりがイイとの判断かも知れないが。
まあそれほどハスラーとして映画愛が強い、てことにしときますか。
そんなこんなも含め
皮肉抜きにタマフル
オススメです。
放送以外の地域のヒトも
本編抜粋podcastだけでも。
駄話部分はお好みで。


20センチュリー・ボーイ

20センチュリー・ボーイ



20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)